久しぶりに通る道で建築中の現場を見ると、「あれ、ここなんか建ちょ~るわいや。前、ここ何があったんかいの~」と思う時があります。
建物が建っているときはなんとも思わず、ただ通りすぎるだけですが、別の建物が立ち始めると以前の映像がでてきません。
町並みは日々、変化しています。
古い建物は取り壊され、新しい建物が建ち、これから時代の移り変わりを見続けるのですね。
日本では古い建物は価値がなくなり、資産ではなくなってしまいます。
外国では古い建物ほど手入れをして、資産価値を落とさずに大切にされ次世代へ引き継がれます。
手入れがされた建物ほど、古くても価値が高いですね。
なので何百年も前の建物が現代でも現役バリバリです。
新しい建物には新しい建物にしかない魅力があり、古い建物には古い建物にしかない魅力があります。
個人的には新しいものも古いものも好きなので、なんとも言えませんが建物に関していえば、昭和の匂いのする建物が好きです。
幼少時代を過ごした家は某大和ハウスが施工した中古戸建てでした。
母親と一緒によく家具の配置変えをした記憶や、九官鳥を部屋で放し飼いにして糞まみれになったことや、脱衣所の床が腐って抜けたことや、和式便所を洋式風に座ってお尻が便器に落ちたことや、一人部屋が欲しくて3帖の納戸を自分の部屋にしたり、いろいろな記憶が思い出せます。
そんな家も修繕が追いつかず建て替えました。
古いものを維持しようとすると、お金も時間もかかります。
部品の供給がなくなったり、新しく作らなければならない場合もあります。
そう考えると、例えモノとしては無くなってもそれぞれの人の記憶の中に存在し続けると思うと、古いものがなくなることも悪いことではないのかなと。
では。