家族でとある海水浴場へ行きました。
昼前くらいに着いて、テントやらパラソルやらを組み立ててぼちぼち遊んでいました。
その日は気温が36℃との予報。気を抜くと一瞬で熱中症になるような猛暑の日でした。
一通り遊び夕方近くになり、子どもたちが疲れたから帰ろうと言いましたので片付けを済まして、シャワーを浴びに簡易シャワー室へ子どもたちを連れて行きました。
先に子どもたちにシャワーを浴びせ、私は外で待っていました。
このときはまだ、あんなことになるとは想像もしていませんでした。
子どもたちがシャワー室からでてきた時に、よく分からない違和感を感じました。
そのときは気にもとめず、子どもたちを先に妻の元へ行かせ私はゆっくりシャワーを浴びる予定でした。それも温水シャワーを。(実際はほぼ熱湯に近いくらいの水温でしたが。)
子どもたちを先に戻したのが悲劇の始まりでした。
200円も使いだらだらシャワーを浴び、着替えてさぁ出ようとドアノブを回した瞬間、
「スカッ。。。」
最初、何が起きたか理解できませんでした。ドアノブを回しても抵抗なくクルクル回ります。
フォーエバーにクルクル回ります。そして錆らしき粉がポロポロと落ちてくるではないか。
よくよく見ると、なんと内側の握玉が空回りしているではないか。
そのせいでラッチボルトが引っ込まない。。。
何回か回せば開くだろうと信じて回すが、一向にラッチボルトが引っ込む気配がありません。
そう、子どもたちがシャワー室からでてきた時に感じていた違和感はこの違和感だったのです。
確かにでてくる時に開けにくそうにでてきていました。
その時はドアの建付が悪いのだろうくらいにしか思っていませんでした。
シャワー室は熱気がこもってきています。
もう、蒸し風呂状態です。
さっきシャワーを浴びたのにと思いながら、もう一回、シャワーを浴びようかなぁなんて思いながらどうしようかなぁと天井を見ながらボーッとしてました。
私が持っているアイテムは、
・100円玉5枚
・バスタオル1枚
・サンダル1足
・短パン1着
・Tシャツ1枚
・海パン1着
・腕時計1個
そう、携帯はテントの中に置いてきていたのです。
オーマイガーですよ。
妻と連絡をとる手段はほぼありません。
子どもたちを先に戻したことを後悔しました。
あのとき、終わるまで待たせておけばこんなことにはならなかったのに。。。と。
よくテレビで九死に一生的な番組をやっていますが、まさか私が主人公になるとは思ってもいませんでした。
戻ってくるのが遅いので子どもたちが心配して呼びにくるかなぁと待っていましたが、そんな気配もありません。
薄れゆく意識の中で死体で発見された場面を想像してみました。
なんとも情けない映像でした。
そんな死に方は嫌なので最後にもう一度、ノブを回してみましたが相変わらずのスカッとぶりです。
アルミ製のドアなので最悪、壊して出ようかと思いましたが、壊さずになんとか脱出する方法はないかと考えていると、隣のシャワー室へ人が入ってきたではないか。
このチャンスを逃すとマジで生きて帰れんと思ったので、隣の人へ、
「すいません、助けてください。内側のドアノブが壊れてドアが開かないので外から開けてもらえますか!」
と頼みました。
すると隣の人から、
「分かりました!やってみます!」
と返事があり、外から開けてくれました。
「本当に助かりました。ありがとうございます。」
とお礼を言うと、男性の方でしたが、
「良かったですね」と言って私が入っていたドアノブが壊れたシャワー室へ入っていきました。
では。